自分たち夫婦に子どもができない場合など、血のつながっていない赤ちゃんや子どもを家庭に迎え入れることがあります。

子どもや赤ちゃんをおうちに迎える方法として特別養子縁組はとてもよく利用されています。

特別養子縁組を利用したい場合、どのような条件が必要になるのでしょうか?自分たちの場合に利用出来るのかどうかを判断するためにも、利用条件を知っておく必要性が高いです。

そこで今回は、特別養子縁組の利用条件について解説します。

 

1.特別養子縁組を利用すると、本当の親子のような関係を作れる

子どもや赤ちゃんをおうちに迎える場合、特別養子縁組を利用することが多いです。特別養子縁組とは、子どもとその子どもの実親との関係が切れてしまうタイプの養子縁組のことです。

一般の普通養子縁組では、子どもと実親との関係は切れません。戸籍上も、養親と養子の関係は「養子」「養女」と記載されます。

これに対して、特別養子縁組の場合には、直接子どもと養親の関係が「長男」「長女」などと記載されます。

このように、特別養子縁組を利用すると、養子とは言ってもより本当の親子のような関係を作ることができるのです。そこで、子どもを迎え入れる場合、多くのケースで特別養子縁組が利用されています。

 

2.子どもの年齢が6歳未満

特別養子縁組を利用する場合、どのような条件があるのでしょうか?

まず、養子となる子どもの年齢が6歳未満である必要があります

特別養子縁組は、さまざまな事情で実親と生活していくことが難しい子どもなどに、恒久的な家庭環境を与えることによって子どもの利益となることを目的としています。

これは、過去に、他人の子をそのまま自分の子として届け出ていた、いわゆる「藁の上の養子」が横行していたことに鑑みて、このようなことが起こらないように制定された制度です。

たとえば虐待を受けていたり、実親が経済的に苦しいなどの事情があって実親と暮らすのが難しい子どもに、育てて慈しんでくれる適切な家庭を与えるためにもうけられた制度が特別養子縁組なのです。

特別養子縁組を利用すると、養子と養親は本当の親子と同じように取り扱われます。

このことは、子どもにとって良いことのようにも思えますが、子どもが大きくなりすぎていると、かえって悪影響を与えることがあります

たとえば、子どもが6歳以上になっていると、子どもに実親との生活の記憶が残っていて、新しい家庭環境になじみにくくなる可能性があります。

また、実親に対して愛着も持っているので、実親と引き離すことが、子どもに辛い体験を強いることにもつながってしまいます。

このようなことは、子どもの利益になりません。

よって、特別養子縁組を利用出来る条件としては、子どもが6歳未満の場合に限られます。ただし、子どもが6歳未満の頃から監護養育を続けてきた場合には、子どもが8歳未満までの期間は特別養子縁組をすることができます。

 

3.養親が夫婦であること

特別養子縁組を利用する場合には、養親となろうとするものは夫婦である必要があります

特別養子縁組は、家庭環境に問題がある子どもなどに対して、安定した温かい家庭環境を与えるという子どもの利益を目的としています。

そこで、子どもの新しい養育者は、父親と母親の両方がそろっている方が好ましいと考えられています。そこで、子どもの養育をする養親も、夫婦そろっていることが要求されるのです。

よって、たとえばひとり親で特別養子縁組を利用しようとしても、それは不可能です。

また、同性愛者のカップルなどについても、日本では夫婦と認められないので、特別養子縁組で子どもを家に迎えることもできません。このような場合には、普通養子縁組であれば利用する事ができます。

 

4.夫婦が成人していて、一方が25歳以上であること

特別養子縁組を利用する場合には、養親となる夫婦の一方が25歳以上である必要があります。

子どもに安定した家庭で安定した生活をさせるためには、養親となるものがしっかりとした大人である必要があります。

養親自身が子どものようなカップルに子どもを養育させることには不安があります。そこで、少なくとも夫婦の一方が25歳以上であることとすることで、ある程度の判断能力や生活能力を担保しているのです。

よって、特別養子縁組を利用する場合には、養親は夫婦であり、かつその夫婦の一方が25歳以上である必要があります。そして、その夫婦は2人とも成人している(20歳以上)ことも要求されます

 

5.子どもの両親の同意

特別養子縁組を利用する場合には、子どもの実親の同意が必要です。このことは、特別養子縁組では実親と子どもの法律上の関係が切れてしまうことがその理由です。

特別養子縁組を利用すると、先にも説明した通り、戸籍上も実親と子どもの関係は切れます。子どもは、養親の「長男」「長女」などと記載されます。

また、特別養子縁組を利用すると、親権者も変わります。子どもの親権者は養親となり、実親からは親権が剥奪されます。実親は、子どもに対して無権利になってしまうのです。

さらに、子どもは実親の遺産相続権もなくなります。

そして、特別養子縁組をした場合、その後実親と子どもが会うことは基本的に不可能になります。

このように、特別養子縁組をすると、DNA鑑定をした場合の身体的な親子関係はあるとしても、それ以外の法律上などの親子関係が、一切切られてしまうのです

このようなことは、実親にとっても非常に重大なことです。よって、特別養子縁組を利用する場合には、実親の同意が必要になります。実親が同意しなければ、いかに子どもを特別養子縁組で家に迎えたいと思っても、この制度を利用することはできません。

ただし、実親との生活が継続すると、子どもの利益を著しく害する事由がある事情がある場合には、例外的に実親の同意が無くても特別養子が認められる可能性があります。

たとえば、子どもを児童養護施設に預けっぱなしにして自分はパチンコばかりしているようなケースや、子どもを明らかに虐待しているようなケースなどには、実親の同意なしに特別養子縁組が認められます。

 

6.6か月以上の期間にわたる監護の実績と評価

特別養子縁組を利用する場合には、養親夫婦が6ヶ月間以上子どもを実際に監護養育した実績が必要です。6ヶ月間の子どもとの生活を経て、その状況を見た結果問題がなさそうであれば、特別養子縁組が許可される仕組みになっています。

特別養子縁組は、子どもの利益を目的とした制度です。また、特別養子縁組を利用すると、子どもと実親との関係が切れて、その後は養親と本当の親子とほぼ同様の取り扱いをうけて生活していくことになります。

このような重大な結果をもたらすのですから、そう簡単に特別養子縁組を許可することはできません。実際に6ヶ月間一緒に暮らしてみて、その実績を積んだ上で問題がなさそうであれば、ようやく特別養子縁組が認められることになります。

 

7.審判書は審判後10日以内に届け出る

特別養子縁組の条件を満たす場合には、家庭裁判所に特別養子縁組許可の審判申立をして、特別養子縁組の審判を出してもらうことができます。

審判が出ると、審判書という書類が家庭裁判所から自宅へ送られてきます。審判書が届いたら、すぐに市町村役場に審判書を持っていって、養子縁組の届出をしましょう。

このことによって、養親と子どもの戸籍が書き換えられて、正式に養子縁組みの手続きができます。

特別養子縁組の許可の審判が出た場合、その審判日から10日以内に市町村役場に届け出る必要があります。もしこの期間内に届出をしないと、過料(罰金のような賦課金)の制裁を科されてしまう恐れもあるので、くれぐれも早めに届出をしましょう。

そして、新しい気持ちで、迎え入れる子どもとの新しい生活を始めましょう。

 

まとめ

今回は、特別養子縁組を利用するための条件について解説しました。特別養子縁組は子どものための制度ですので、利用するには子どもが6歳未満である必要がありますし、養親は成人した夫婦で25歳以上である必要があります。また、実親の同意も必要です。

特別養子縁組を利用すると、子どもと本当の親子のような関係を作ることができます。今回の記事を参考にして、特別養子縁組を利用して子どもと一緒に新しい生活をスタートさせましょう。