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ハーグ条約について

 

ハーグ条約という条約をご存知でしょうか。

最近まで、日本はこの条約を締結していなかったため、

メディアであまり取り上げられることも少なく、知らなくても無理はありません。

 

しかし、国際結婚が増えた現代社会において、

このハーグ条約という法律を知らないでは済まされません。

トラブルを起こさない、巻き込まれないためにも、

ハーグ条約という条約を知っておいて損はありません。

 

そこで、ここでは「ハーグ条約とは何か」ということについて紹介していきます。

 

国際結婚と離婚で生じる問題とは?

 

グローバル化が進み、ますます国際結婚や離婚が増加するに伴い、

子どもを“連れ去る”人も増えてきました。

片方の親が自分の国へ子供を連れだし、もう一方の親に面会させないという、

子どもの“連れ去り”が問題視されるようになりました。

 

また、先ほども述べたように、日本はハーグ条約を締結していないため、

子どもを日本へ連れて帰ることができません。

さらに、日本からアメリカやヨーロッパなどの海外へと子どもを連れ出したり、

逆に、海外から日本国内へと子どもを“無断”で連れ出す親も増えてきています。

 

ここで一番被害を受けるのは、“連れ出された”子どもです。

子どもを取り巻く環境は大きく変化し、

また、発育の上で重要な親子関係が片方、強制的に失われてしまいます。

 

通常、このような問題は同国間の結婚ではありえませんが、

国際結婚が増えてきた現代社会では十分にあり得る問題であり、

実際にその問題は起こっています。

これらの問題が起こることを防ぎ、

子どもを守るためにハーグ条約という条約が存在します。

 

もう少し詳しくハーグ条約を知るため、

次の章では、ハーグ条約の仕組みについて紹介します。

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ハーグ条約の仕組み

 

先ほども述べたように、

ハーグ条約は子どもへの悪影響から子どもを守るために存在する条約です。

ですから、ハーグ条約では原則として元住んでいた国へ、

子どもを速やかに返しすよう述べられており、

また、国際協力の仕組みや国境を越えた

親子の面会・交流の実現のための協力についても述べられています。

 

そこでまず、子をもとの居住国へ返すことが原則であるということに関して詳しく説明します。

ハーグ条約は、監護権の侵害を伴う国境を越えた子どもの連れ去りは

子どもの生活に悪影響を及ぼすという大前提から、

両親どちらが子どもを育てるべきなのかについて、

元住んでいた国の司法の場で判断するように義務付けています。

 

このことにより、子どもの生活を第一に考えた判断がなされるとされています。

次に、親子の面会・交流の実現についてですが、

これは先ほども述べたように、子供の発育には両親の存在が重要であることから、

子どもの利益を第一に考えられた結果、面会・交流の機会を設けるよう定められています。

 

しかし、この面会・交流の場を両親が作るのは難しいので、

ハーグ条約に締結している国が支援するよう、

ハーグ条約でこのように自国間の支援があってこそ、ハーグ条約の効果があります。

 

さて、今までの文章で、ハーグ条約について詳しく説明してきましたが、

そもそもハーグ条約の意義とは何なのか。

このことについて考えていきたいと思います。

 

何よりも子どものために

 

ハーグ条約を締結することで、子どもに最適な環境で、

かつ親子の面会・交流は確保されてるようになったことをお分かりいただけたと思います。

ハーグ条約を締結していない、以前の日本人は子どもが外国へ連れ去られても、

全て自力で相手の国に合わせて、外国の裁判所に子どもの返還を訴えていました。

 

また、この留置への発展の危険性から、子どもを日本へ連れ出すこともできませんでした。

しかし、日本がハーグ条約を締結したことで、

自国だけでなく、相手国からも支援を受けることができるようになりました。

 

こうしてハーグ条約により親の負担が減りました。

しかし、ハーグ条約の一番の意義は、子どもへの悪影響が減ったことにあります。

ハーグ条約により、子どもが急激な環境の変化に晒されることがなくなり、

また、親子の面会・交流も確保されるようになりました。

これこそがハーグ条約の意義ではないかと思われます。

 

さいごに

 

ハーグ条約が締結されるまで、両親はかなり苦労して返還に取り組まれたと思います。

たしかに、異文化・法律の壁は高いものです。

これらの壁を乗り越えても、子どもを返還してもらえるとは限りません。

 

しかし、ハーグ条約の締結以後、日本人の親はそのような苦労は軽減されました。

このことは非常に喜ばしいことであり、

子どものことを考えると非常に良い条約だと思います。

 

ところが、まだまだ課題は残っています。

これらの条約を締結しない国は未だ存在していますし、

一方、存在していても日本のように存在して間もない国もあります。

 

そこで、これらの国へハーグ条約を

どのように取り入れるかということを考える必要もあります。

また、国によって支援する内容に差が出ないよう、

それらの監督も非常に重要になってきます。

 

もしこれらの課題を乗り越えることができれば、

さらに“連れ去られる”子どもは減ることになり、幸せな子どもも増えるでしょう。