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子どもを育てられなくなった母親に対する支援

 

「母親なら誰でも自分の子どもはかわいい。」とよく言われます。

たしかに、自分のお腹の中で育った赤ちゃん、

苦労して育てた子どもは非常にかわいく、愛しい存在です。

 

しかし、全ての親がその赤ちゃんや子どもを育てることが出来ないこともあります。

その理由は様々で、想定外の妊娠や浮気、経済的な理由、

DV、ネグレクト、子どもが憎いなどが挙げられます。

これらの理由から赤ちゃんや子どもを育てられなくなってしまい、

何らかの方法で彼らを捨ててしまいます。

 

また、育てる前の段階、つまりお腹に赤ちゃんがいる状態で、彼らの死を選ぶこともあります。

これらのことを知っている方は少なくないとは思いますが、

細かなことを知っている人は少ないと思います。

 

そこで、ここでは「子供を育てられなくなった母親への支援」と題して、

そうした母親の行うことやその行いに対する支援について、

赤ちゃんポストを中心に説明していきたいと思います。

 

赤ちゃんポストとは?

 

様々な事情で子育てを続行することが難しい親が、身元を知られることなく、

病院などで安全に保護をしてもらう為の施設やシステムのことを、

「赤ちゃんポスト」と呼んでいます。

 

海外では、1198年、イタリアにも赤ちゃんポストの原型となる施設が存在していました。

また日本でも、過去に東京都済生会中央病院の「捨て子台」や群馬県の養護施設、

鐘の鳴る丘少年の家が「天使の宿」など、似たようなシステムを取る施設もありましたが、

現在このシステムを導入しているのは、

熊本県にある慈恵病院の「こうのとりのゆりかご」のみとなっています。

 

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「こうのとりのゆりかご」の利用のしかた

 

現在、日本に存在する赤ちゃんポストは、

熊本県熊本市にある慈恵病院の「こうのとりのゆりかご」だけです。

「こうのとりのゆりかご」は、赤ちゃんポスト先進国である、

ドイツのベビークラッペ(Baby Klappe)を模範として、

2007年5月から赤ちゃんの受け入れを始めました。

 

両親のプライバシー保護の観点から、

赤ちゃんを入れる窓口は人目につきにくい場所にあります。

窓口の扉の中には保育器があり、

病院窓口の連絡先などが記入された、両親宛の手紙もあります。

 

保育器に赤ちゃんを置くと、センサー反応し、

看護師などの医療スタッフが赤ちゃんを保護してくれます。

また、「こうのとりのゆりかご」は、などの対策が取られているため、

電話やメールでの相談窓口を設置することで、

安易な気持ちでの利用をすることができないような仕組みを取っています。

 

しかし、そのような対策を取っていても、相談なく赤ちゃんを預ける人もいます。

そのような赤ちゃんは、そこの医者が健康状態を確認し、

その後、熊本市児童相談所と警察へ連絡をします。

 

こうして、赤ちゃんポストに預けられた赤ちゃんは、

児童相談所を通して乳児院へ移されます。

赤ちゃんが成長し、2歳を過ぎても親の引き取りがない、

里親が見つからなければ、その赤ちゃんは児童養護施設で養育されることになります。

 

その他の母親への支援

 

グローバル化した現在、国際結婚は当たり前のこととなりつつあります。

そのため、子どもの問題も国際化してきています。

例えば、国際離婚後の子どもを自国に連れ戻してしまい、

相手に二度と合わせないという問題も生じています。

 

これら国際離婚などによって生じる問題を解決するために、

ハーグ条約という条約が様々な国同士で締結されました。

ハーグ条約が締結されるまで、子どもを連れ去られた親は、

子どもを見つけることにかなり苦労していました。

 

しかし、ハーグ条約の締結以後、親はそのような苦労は軽減されました。

このことは非常に喜ばしいことであり、子どものことを考えると非常に良い条約です。

ところが、まだまだ課題は残っています。

これらの条約を締結しない国は未だ存在していますし、

一方、存在していても日本のように存在して間もない国もあります。

 

そこで、これらの国へハーグ条約をどのように取り入れるかということを考える必要もあります。

また、国によって支援する内容に差が出ないよう、

それらの監督も非常に重要になってきます。

もしこれらの課題を乗り越えることができれば、

さらに“連れ去られる”子どもは減ることになり、幸せな子どもも増えるでしょう。

 

さいごに

 

子どもを捨てる親の心情は様々であり、それを理解することは非常に難しいことです。

そこで、出来る支援は何があるのかと考えた時に生まれたのが、赤ちゃんポストです。

 

しかし、赤ちゃんポストには賛否両論があるので、その数は増えもしないし、減りもしません。

現状のままでは、明らかに母親に対する支援が少ないです。

女性の社会的力が上がってきた今、これらの親への支援が増えることが望まれています。

この支援を増やすためには、一般の方の理解が重要です。

そこで、この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。

 

※当団体の活動は慈恵病院とは関係ございません